サクラジ会報4月号
2019年6月1日の未明、スイス・ジュネーブにある極東美術館に複数の男が侵入し、高価な中国の美術品を盗み出した。被害総額は日本円で約5億円以上にも上るという。
スイス警察はすぐに捜査を開始し、防犯カメラの映像を解析した。捜査が進むうちに3人の容疑者が浮上した。
彼らはイギリスを拠点とする国際犯罪組織に属する犯罪者で、これまでにも多くの殺人・強盗事件に関与している可能性があったのだ。
ところが決定的な証拠が不十分で逮捕まで踏み切ることが出来なく警察側はもどかしい思いをしていた。
ジュネーブでの事件から1か月後の2019年7月、ロンドン北東部のウッドフォードで、男性が自宅のキッチンで銃撃される事件が起こった。
事件は混迷を極めたが5年にも及ぶ捜査の結果、2024年、この事件の犯人と思わしき人物が使用した凶器をテムズ川に投げ込んだとの情報が入り、警察は川を金属探知機で探り凶器を探ったが出てきたのは一つのiPadだけで凶器は出てこなかった。
事件は再び迷宮入りかと思われたが、なんとこのiPadに2019年のジュネーブの極東美術館への侵入計画や盗品の取引に関するメモが保存されており、ウッドフォード銃撃事件の犯人と被害者がジュネーブの事件にも関与していたという決定的な証拠も出てきた。
警察は、このiPadを手がかりに関係者を割り出し、容疑者たちの過去の通信記録や資金の流れを調査した。iPadにあったデータには、AmazonやeBayのアカウント情報やメールアドレス、使い捨て携帯の情報も含まれていたという。
さらにGPSの情報は、事件当時の犯人らの移動経路の追跡にも役立った。執念の捜査の結果、国際犯罪組織のメンバーを検挙することが出来たという。
私はこのニュースを聞いて絶望した。
5年間も川に埋もれていたiPadでもデータ解析ができる時代である。
我々サクラジの過去の言動や発言などはずっとデジタルタトゥーとして残ることが確定した。実に恥ずかしい。
ハードディスクにドリルで穴をあけてももう遅い。
新年度、新生活、新しい職場や学校に行く皆さんは何卒インターネット上での発言や言動にはお気を付けください。
秘すれば花。何もしなけりゃ生き仏!!